続 相場の常識 2008 3 1

 昔の教科書には、
「金利を引き下げれば、株価が上がる」と書いてあったかもしれません。
しかし、最近は、そんな単純なものではありません。
 今や、「垣根」がなくなったのです。
「株」、「為替」、「金(gold)」、「原油」、「商品」。
先高感がある市場を求めて、巨額の投機資金が、まるで渡り鳥のように、
住みよい場所を求めて、渡り歩くのです。
 問題は、株と金(gold)以外の市場が高騰すると、
実体経済に、あるいは国民生活に、大きな影響が出てくるのです。
 株が、いくら高騰しても、誰も困りません。
しかし、商品市場が高騰すると、多くの人が困るでしょう。
 そういうわけで、巨額の投機資金が、株式市場に向かうように、
魅力ある政策を打ち出す必要があります。
(他の市場に比べて、株式市場の方が、圧倒的に魅力あると感じるように)
 今のところ、思いつくのは、税制ぐらいですが、
知恵を絞れば、いろいろな政策が出てくるでしょう。

相場の常識 2008 1 6
 2008年1月5日の日本経済新聞によると、
「商品分野の常識は崩れ、プロほど相場を読み違える。
『2007年夏以降、うちの原油トレーダーで利益を上げた者はいない』と、
大手商社のエネルギー部門担当役員は嘆く」
 現在の相場環境は、商品分野だけでなく、
株、為替、債券の各分野の常識は崩れ、プロほど相場を読み違えると思います。
 なぜか。
日本経済新聞の記事を、私なりに解釈すると、
昔は、「株」、「為替」、「原油」、「商品」には、それぞれ垣根があって、
その分野で、専門家が相場を動かしてきましたが、
今や、金融自由化によって、「垣根」がなくなってしまい、
天文学で使うような数字に匹敵する「巨額の投資資金」が、
「株」から「商品」まで、自由に行き来をするようになってしまったからです。
 さらに、こうした分野別の「垣根」がなくなっただけでなく、
国境という「垣根」もなくなりましたので、
巨額の投資資金が、世界各国の市場を自由に行き来をするようになったのです。
 気づいてしまったかもしれません。
「原油相場は、意外にも値動きがいい。
巨額の投機資金にとって、一番困るのが、相場が動かないことだ。
相場が上に行っても下に行っても儲かるのに、
相場が動かないのでは、儲けようがない。
 しかし、原油相場は、意外にも値動きがいい。
これなら、重い動きの株式相場よりも、効率がいい。
 しかも、株券は、会社が倒産すれば、紙くずになってしまうが、
原油は、そういうことはない。
同じことは、金(ゴールド)などの商品相場にも言える。
原油も、金(ゴールド)も、商品も、紙くずになることはない」
 今の相場では、誰もが、こう感じるでしょう。
「昨日まで、うまくできた方法なのに、今日は全然通用しなくなってしまった」
(そう感じなければ、今の相場では生き残れないでしょう)
 極端なことを言えば、今の相場は、
「昨日の常識は、今日の非常識。昨日の非常識は、今日の常識」ということでしょう。
 そういうわけで、過去の経験や常識に、とらわれる過ぎると、
プロでも相場を読み違えることになるでしょう。
つまり、いったんプロとしてプライドを捨てた方が、かえって自然に相場に取り組めると思います。















































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